花 谷村新司

汽車の窓辺(まどべ)に、寄り添う(そう)人を
遠くから見つめてる、声(こえ)もかけないまま
張り裂ける(はりさける)胸、抱きし(だきし)めながら
死ぬことの代わりにも、人は旅(たび)をする
永久(とわ)に、散ることない 花を
人は、愛してくれるでしょうか
やさしい雨に、打たれて(うたれて) 落ちる
儚さ(はかなさ)(ゆえ)、人は愛するのでしょう

惜別(せきべつ)の 時心静かに
振り返る(ふりかえる)その肩に やさしい春の雨
(ほほ)を流れる、涙こらえず
思い出の尽きる(つきる)まで、佇め(たたずめ)ばいい
永久に、散ることのない 花を
人は、愛してくれるでしょうか
やさしい雨に、打たれて落ちる
儚さ故、人は愛するのでしょう

※花は花よ、ひたすら咲く 花は花よ、ひたすらに舞う(まう)
※花は花よ、ひたすら咲く 花は花よ、ひたすらに散る(ちる)

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昴(すばる)

谷村新司(たにむら しんじ)作詞・作曲

目を閉じて(とじて)、何も見えず

哀しくて(かなしくて)、目を開ければ

荒野(こうや)に向かう道より

他に(ほかに)見えるものはなし

ああ、砕け散る(くだけちる)、宿命(さだめ)の星たちよ

せめて、密やかに(ひそやかに)、この身を照せよ(てらせよ)

我は行く(ゆく)、蒼白き(あおじろき)(ほほ)のままで

我は行く、さらば 昴よ

 

呼吸(いき)をすれば、胸の中

木枯し(こがらし)は吠き(なき)続ける

されど我が胸は熱く

夢を追い続ける(おいつづける)なり

ああ、さんざめく、名(な)も無き星たちよ

せめて、鮮やかにあざやかに、その身を、終われよ

我も行く、心の命ずる(めいずる)ままに

我も行く、さらば 昴よ

 

ああ、いつの日か、誰かがこの道を

ああ、いつの日か、誰かが この道を

我は行く、蒼白き頬のままで

我は行く、さらば 昴よ

我は行く、さらば 昴よ

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風姿花伝(ふうし かでん)

谷村新司(たにむら しんじ)

風は叫ぶ(さけぶ)、人の世(よ)の哀しみを

星に抱かれた(だかれた)静寂(しじま)の中で

胸を開けば、燃ゆる(もゆる)血潮(ちしお)の赤は

共に(ともに)混ざり(まざり)て、大いなる流れに

人は夢見る(ゆめみる)、ゆえに儚く(はかなく)

人は夢見る、ゆえに生きる者(いきるもの)

ああ、ああ、誰も知らない

ああ、ああ、明日散る(ちる)花さえも

 

固い(かたい)契り(ちぎり)、爛漫(らんまん)の花の下

月を飲み干す(ほす)、宴(うたげ)の杯(さかずき)

君は帰らず、残されて佇めば(たたずめば)

(かた)にあの日の、誓い(ちかい)の花吹雪(はなふぶき)

人は信じて、そして破れて

人は信じて、そして生きる者

ああ、ああ、誰も知らない

ああ、ああ、明日散る花さえも

 

国は破れて(やぶれて)、城も破れて

草は枯れ(かれ)ても、風は鳴き渡る

ああ、ああ、誰も知らない

ああ、ああ、風のその姿を

ああ、ああ、花が伝える(つたえる)

ああ、ああ、風のその姿を

浪漫鉄道

遥か地平まで続く 線路に耳を押し当て

夢も半ばに倒れし 工夫の想い辿れば

茜射す草原のきらめきに抱かれて

熱い魂は音を立てて廻り始める

途上に迷い乍ら 走り続けよ旅人

線路の枕木は愛 大いなる旅路を行け

少年は空を見てた それが愛だと気付かず

瞳の中を流れる 雲が夢だと気付かず

錆色の古い写真に誓う約束

日々の暮らしに疲れた胸が今 騒ぐなら

途上に迷い乍ら 走り続けよ旅人

砂塵にその身委ねて 大いなる旅路を行け

途上の土に乾く 夢ならば悔やむまいぞ

遥かな地平を見つめ 永眠るなら悔やむまいぞ

途上の土に乾く 夢ならば悔やむまいぞ

遥かな地平を見つめ 大いなる旅路を行け

浪漫鉄道

浪漫鉄道<蹉跌篇> ろうまんてつどう さてつ

谷村新司

 

名前も知らない駅の ホームで雪を見ている

枕木に落ちた夢の 跡を数えながらいま

右のレールは東京の街まで続く

左のレールは故郷のなつかしい街へと

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた

線路の軋みは似てる 旅人の叫び声に

 

出逢いはいつも悲しい 別離の時を思えば

老人がつぶやいていた 人生は皆泡沫

右のレールは無惨な夢への誘い

左のレールはささやかな幸福の誘い

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた

線路の軋みは似てる 旅人の叫び声に

 

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた

線路の軋みは似てる 旅人の叫び声に

挫折と憧れだけ 震えながら抱きしめた

線路の軋みは叫び 戸惑う汽車は旅人

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